TROUBLESHOOTING / DHCP
RTX810でVLAN追加後に端末にIPが降りない時|IPフィルタでDHCPを通す例
ヤマハ RTX810にVLANを追加したのに、そのVLANの端末にDHCPでIPアドレスが降りない。運営者の検証環境で起きた事例をもとに、論理インターフェースの考え方と、IPフィルタでDHCPを通す対処例、切り分けの順序を整理します。フィルタ番号やインターフェース名は環境ごとに異なり、筆者の環境での対処例が全環境で同じ結果になる保証はありません。
この記事でわかること
- LAN1上の論理インターフェース(lan1/N)の考え方
- DHCPを許可するフィルタの書き方の例
- 物理から順に見る切り分けの順序
結論受信フィルタにDHCPを許可する項目がないと、端末の要求が届きません。ただし最初に見るのは、ケーブルなどの物理とVLAN設定です。
LAN1上の論理インターフェースの考え方
運営者の検証環境のRTX810では、LAN1の物理ポート上に複数の論理インターフェースが同居します。タグなしは「lan1」、タグ付きのVLAN IDがNのものは「lan1/N」と表記します。たとえばVID101は「lan1/1」、VID200は「lan1/4」でした。この「N」はVLAN IDそのものではなく、筆者の環境での番号です。命名や作り方の詳細は機種・ファームウェアのマニュアルで要確認です。
「ルーター直結」の意味を区別する
「ルーターにつないでいる」と言っても、2通りあります。
- つないだ機器自身がVLANタグを付けて送る(タグ付きで直結)。
- 別のスイッチなどでタグなしの通信をVLANに変換してからルーターに渡す。
どちらなのかで、ルーター側に作るインターフェースがlan1/Nなのか、タグなしのlan1なのかが変わります。ここを取り違えると、設定した内容と実際の通信が噛み合いません。
症状
運営者の実例
VLAN200(ゲスト用)のインターフェースを追加し、DHCPの設定も入れました。しかしVLAN200の端末に、DHCPでIPアドレスが降りませんでした。例示用のアドレスで書くと、ゲスト用のサブネットが192.0.2.0/24、ルーター側のアドレスが192.0.2.1、という想定です。
対処例: DHCPを許可するフィルタ2本
運営者の環境では、そのインターフェースの受信側(secure filter in)にIPフィルタが設定されており、DHCPの通信が通っていませんでした。ヤマハの公式ページによると、フィルターリストは先頭から走査され、最初に一致したフィルターで通過か破棄が決まり、どれにも一致しないパケットは破棄されます。DHCPを許可するフィルタが無いと、端末の要求が届きません。
そこで、DHCP(UDPのdhcpc/dhcps)を許可するフィルタを2本作り、受信フィルタの先頭側に入れました。次は書式を示すための例で、フィルタ番号・インターフェース名・既存のフィルタは環境ごとに異なります。
ip filter 100 pass * * udp dhcpc dhcps
ip filter 101 pass * * udp dhcps dhcpc
ip lan1/4 secure filter in 100 101 (既存のフィルタ番号)要確認
2本目は逆向き(ポートを入れ替えた形)です。2本とも必要かは、片方だけの場合を試していないため分かりません。dhcpc/dhcpsというポート名が使えるかは、ヤマハの公式ページ(ip filter)で今回確認できなかったため要確認です。使えなければ、マニュアルの記載に従ってUDPのポート番号で指定します。
切り分けの順序(一般的な切り分けの観点)
- 物理: ケーブルの行き先、リンクの点灯、PoE給電を確認します。運営者の環境では、上流ケーブルの取り違えでIPが降りなかったことがあります。給電はPoE給電予算の解説記事も参照してください。
- VLAN設定: スイッチ・AP・ルーターで、タグ付き/タグなしとVLAN IDが一致するかを見ます。例はVLAN構成例の記事にあります。
- フィルタ: そのインターフェースの受信フィルタで、DHCPが許可されているかを見ます。
- DHCPリース: ルーターのDHCPの状態表示で、端末や機器にアドレスが払い出されたかを確かめます。
注意
注意
- 通らないからといって、フィルタを全許可にしないでください。許可するのはDHCPなど必要な通信だけにします。
- ゲストから通常LANへの通信を拒否するフィルタは維持します。DHCPを通す作業で、この拒否が外れないように確認してください。
- フィルタを変えたら、設定を保存する前に、端末にIPが降りることと、ゲストから通常LANに届かないことを確かめます。
- 変更の前に、設定のバックアップを取ってください。
出典
- ヤマハ ルーター コマンドリファレンス「ip filter」(2026年10月1日確認。フィルタの書式の一般的な説明)
- ヤマハ ルーター コマンドリファレンス「ip interface secure filter」(同日確認。フィルタの適用方向と走査順序)
本ページは、ヤマハ株式会社とは無関係の非公式の解説です。設定の内容は運営者の検証環境(RTX810/BSH-GP08MB/WAB-I1750-PS)の一例で、個別環境での動作は保証しません。変更の前には設定のバックアップを取り、各機器のマニュアルを併せて確認してください。